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「中国語習得を目指して留学するのなら、環境で自分を追い込むのが吉」(大吉 中国語習得編 中編)

はい、前回からの続きとなります。

 

【大吉 中国語習得編 前編】

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ひょんなことから、おいらが中国語をどうやって習得したかの話を書き始めちゃいました。 適当にサッサと切り上げちゃうこともできるのですが、新型くんのせいでブログカテゴリー的には強制ネタ無し状況に追い込まれており、「何かしら書く」という意味では渡りに船なのかも知れません。

 

自身の語学習得の話をし出すと、多少なりとも自分語りの要素が入り込んじゃうので、実はあまりやりたくはありません(爆) ぶっちゃけ他人がどうやって語学を身に付けたかなんて、どうでもよくありません? ぅおっと、暴論だったので、打ち消し線を引いて文字を小さくしておきました^^v

 

【前編】を書いた後に、続きが楽しみという声も少なからず届いており、それをモチベにしながら調子に乗って書き進めてみたいと思います。

 

留学先に「上海対外貿易学院」を選択

とりあえず中国に留学することは決めました。 ではどの都市に留学するのか? はい、とても重要ですね。 重要だけど、ぶっちゃけどこに行っても中国語漬けになるので大差はないですね。

 

中国は広大な多民族国家です。 民族ごとに言語が異なるだけでなく、住んでいる地域でそれぞれの方言を使用しています。 日本にも方言がたくさんありますが、仮にそれぞれ方言で話したとしても、会話は成り立つし意思疎通も可能ですよね。

 

ところが中国の場合は全く通じません。 北京人が上海語や広東語を聞いても、学習しなければ1%すら理解できないほど別の言葉なのです。 しかも方言が凄まじく多く、同じ省・同じ漢民族なのに、山一つ越えると全く話が通じない…… なんてことは日常茶飯事です。

 

実際には北京語(正確には北京語も巻き舌が凄くて訛りがキツイので、黒龍江省・吉林省の東北2省中国語)を標準語としており、テレビや学校・職場では標準語が使用されます。 学校に行ったことがない田舎のお年寄りでも、自分で標準語を話すことはできなくても聞き取ることはできるほどに根付いてはいます。

 

おいらは寒くて乾燥したところが大嫌いなので、留学先として北京や東北三省はハナから省きました。 最終的に広州か上海で迷ったのですが、上海にすることに! 今でこそ中国留学も選択肢の一つとしてメジャーになりましたが、90年代半ばだと、留学生を受け入れている大学も限られていたのです。 地方都市だと名の知れた重点大学くらいしか選択肢がなく、そこには日本人留学生が多いというデメリットがありました……

 

昔も今も言われていることですが、留学生がダメダメになるパターンの一つが、日本人同士で群れることです。 授業で中国語を勉強しますが、それ以外は終始日本人同士でベッタリ。 はい、これでは折角の環境が台無しです。 事前調査で、上海には日本人留学生が少ない大学がいくつかあることを突き止めます。

 

そのいくつかの大学を絞り込んで行く過程で重要視したのは、中国人学生の専攻に日本語学科があるかないかです。 情けないことに第二外国語で学んだ中国語は、全く役に立たないレベル…… 入門班でゼロから学ぶことが必須の中国語スキルだったのです(^.^)v 出迎えに上海空港まで来てくれた先生が、簡単な中国語で話しかけてくれているのに、全く聞き取れないレベルでしたからね<(`^´)>エッヘン

 

そんな状況で中国人学生と交流するのは不可能なので、日本語学科の学生となら交流できると踏んだわけです。 後にこの選択肢が大正解へと繋がります! 冴えてるねー、おいら♪

 

てなわけで、「上海対外貿易学院」(以下、外貿学院と略称)に留学することに決めました。 現在では「上海対外貿易大学」と名称を変えて総合大学となっており、留学生もバンバン受け入れているようですが、当時はマニアックな留学先であったことは間違いありません。

 

大学3年の後期の試験を1月に終え、進級が決定した後に休学届を提出しました。 普通の思考の持ち主であれば、留学前に中国語の勉強を少しでもしておくのでしょうが、全く何もせずに遊びとバイトに明け暮れていましたとさ……

 

上海留学生活スタート

199X年2月28日、上海に降り立ちました。 上でも触れましたが、出迎えに来てくれた先生の言葉で聞き取れたのは「你好!」(ニーハオ!:こんにちは)のみ…… 清々しいほど何も分かりません<(`^´)>エッヘン

 

二人部屋となり、相方は日本人でした。 とある日本の大学の中国語学科の学生で、中国留学がそのまま単位振替できるので、2年~4年のどこかのタイミングで1年留学する学生が多いとのこと。 温和で性格の良いヤツだったので、助かりました♪ 彼は日本で2年間、中国語学科で勉強し、大学3年を留学に当てたとのことでした。 あまり流暢ではないけど、中国語を操っている姿は後光が差していましたとさ( ̄人 ̄)

 

大分昔のことなので記憶だよりとなりますが、漢語(中国語)留学生は「入門班」「初級班」「中級班」「上級班」の4班に分かれていました。 初級班以上は口頭試験を行い、振り分けていたと記憶しています。 入門班はゼロから学ぶので試験はありません。

 

「汉语(漢語)」(総合中国語。 発音や文法を含め、いわゆる中国語の基礎を学ぶ教科。)

「听力(聴力)」(リスニング。 聴き取りがメインの教科。)

「阅读(閲読)」(長文読解。 漢字に馴染みがない外国人には極悪な教科。)

 

入門班の時は、「漢語」週6、「聴力」週2、「閲読」週2の計10コマ/週だったと思います。 漢語留学生は、1コマ90分の授業を毎日(月~金)2コマ受ける感じですね。 予習・復習をしないと授業について行けなくなるので、「残り時間は各自でしっかりと勉強するように」という意向なのでしょう。

 

留学でおいらに与えられた時間は1年。 「1年で2年留学した人と同じ語学力を身に付ける」というストイックな目標を立てていたので、授業以外の時間をどう過ごすかが極めて大切です。

 

授業が始まった翌週には、日本語学科の学生を紹介して欲しいと学校の先生にお願いしていました。 その先生は日本語学科の1年生と4年生の講義を持っていたので、すぐに話を通してくれ、かなりの数の中国人学生との交流が始まりました。

 

「互相学习」という相互学習交流

留学生にとっては中国人学生と交流できる良い機会ですし、日本語学科の中国人にとっても、普段勉強している日本語が使える絶好のチャンスです。 留学生と中国人学生の交流は、「互相学习」(相互学習)と呼ばれ、上手く活用できれば双方に多大なメリットをもたらしてくれます。

 

ところが「互相学习」を成立させるには、互いの語学力が近いことが望ましいです。 日本語学科の4年生ともなると、びっくりするほどの日本語能力を有しています。 彼らもここぞとばかりに日本語を浴びせてきますから、会話が終始「日本語」で終わってしまうなんてことになり勝ちです。 最初に30分「日本語」を話したら、次の30分は「中国語」と決めていても、語学力に圧倒的な差があるとなかなかそういう塩梅にもなりません。

 

4年生が相手だと、とてもじゃないけど「互相学习」が成立しないので、おいらは即行で4年生との交流は打ち切りました。 挨拶代わりに、「ところで大吉さん、ベテルギウスはいつ超新星爆発をすると思いますか?」みたいな話をぶちかましてくる不思議なあの娘、元気かなー(遠い目) おいらのルームメイトは、逆に家庭教師としてお金を払い、自分の望むスタイルでガッツリと中国語を教わっていました。 それはそれでありだと思います。

 

おいらは日本語学科1年生との「互相学习」をメイン活用することにしました。 中国は9月入学なので、おいらが留学をスタートさせた3月は、彼ら1年生が日本語の学習を始めて半年が経った頃と重なります。 たかが半年なのに、彼らの日本語能力には感嘆しました。 決して流暢ではありませんが、簡単な日常会話は難なくこなして来ますからねぇ。。。 それでも我々日本人が、日本語で話し始めると聴き取れない単語が多いみたいで「ポカン」としている感じ。 はい、語学学習経験者なら分かるあの感じです(^.^)

 

当初は日本語学科1年生の数名と、1対1やグループでの「互相学习」を、夕食後に2時間ほど行っていました。 日本語学科の中国人学生は本科生なので、当然ながら午後もガッツリ授業です。 空いている時間は必然的に夜の数時間に限定されてしまいます。

 

「互相学习」をしていた中国人の一人が、すごい勢いで日本語能力を伸ばしていました。 「え、やっぱりそれは、おいらのおかげ?」というのは冗談ですが、話を聞いてみると、「互相学习」がない日は夜21時まで図書室で勉強するのが日課とのこと。 驚くことに図書室が閉まった後は、灯を求めて階段教室に移動し、夜23時まで勉強をしていました。 若き日の大吉はそこに刺激と活路を求め、後にベストフレンドとなる中国人と濃密な「互相学习」をスタートさせます。

 

そのお相手がべっぴんな彼女だったらさらに良かったのでしょうが、そうは問屋が卸してくれません。 「顧」という姓の男の子でした♪ 以降、「小顧」と表記します。 中国語で姓の前に「小」という漢字を当てて、「~さん」という意味になります。 「小顧」で「顧さん」ですね。

 

留学ひと月が経った頃には、以下タイムスケジュールが完成します^^v

 

8:00 起床(おいらは大学で一人暮らしを始めてから今に至るまで、基本朝食は食べませんw)

8:30 一時限目

10:30 二時限目

12:00 昼食(留学生仲間と近所の安い中華料理屋で食べることが多い)

13:00 自己学習 17:00まで

17:00 小顧と合流、学生食堂で一緒に夕食

18:00 図書室で互相学习(小顧と) 21:00まで

21:00 階段教室に移動して互相学习(小顧と) 23:00まで

23:00 校門外の屋台で夜食(小顧と)

23:30 帰寮、シャワー

24:00 自己学習 睡魔が襲うまで

 

自慢ですけど、留学生の中で一番勉強したと思います、はい。 後にも先にもこの時ほど勉強したことはありませんし、頼まれてもできません(^.^)

 

「互相学习」のいいところは、テキストとは違った活きた中国語、いわゆる実践中国語がバリバリと身に付くことです。 どんな語学もそうだけど、テキストってクソつまらないじゃないですか?

 

This is a pen. とか100%使わないでしょー! Is that a window? って、そんなシチュエーションあるわけないだろよと( *´艸`) 「Peppa Pig」観て、鼻をフガフガ鳴らして、屁こいて寝た方が有意義だという意味です。 って、例えが分かりづらくてごめんちゃい。

 

おいらはスイッチが入っちまうと、自分で言うのもなんだけど、異常なポテンシャルを発揮します。 高校時代も山川出版社の『世界史用語集』を全て暗記し、精通しないと満足しないところがありました。

 

中国語の単語を覚えるのにその力は如何なく発揮されました。 例えばアザラシ(海豹)という中国語が出てきて覚えると、アシカ(海狮)やセイウチ(海象)やオットセイ(海狗)が何ていうのかも気になって仕方がなくなってしまうのです、はいキチガイですねw

 

ミジンコ(水蚤)を覚えたら、アオミドロ(水绵)やミドリムシ(眼虫)も気になると…… そんな感じで自主的に関連付けて覚えた単語って、不思議なことに忘れにくいです。 そんなわけで、中国語の単語力だけは周りが引くほどのペースで覚えていったのが自慢かのぅ^^v

 

語学習得には、環境で自分を追い込むのが吉

よく言われることですが、勉強は自分がやる気にならないことには始まりません。 また、こと語学に関しては、近道はありません。 もちろん天才・秀才くんたちは脳の出来が凡人とは違うので、効率よく記憶することには長けているかも知れません。 でもねー、「一」聞いたものは「一」なのです。 「二」や「三」には絶対になりません。

 

逆に言えば、語学習得に費やした時間は裏切りません。 「一」覚えるのに、5分でできる人と30分かかる人では習得効率に差はありますが、費やした時間だけ必ず学習効果が生じます。 なので天賦の才を一番必要としないのが、ある意味語学習得なのかも知れません! 人と同じに勉強しているのに置いて行かれるのも個性、諦めずにマイペースでいいからコツコツと学習時間を作ることが重要なのです。

 

そんなこんなで翌年1月に帰国する時には、中国に2年留学していた人と変わらないレベルの語学力を身に付けることができました。 それでも語学は使わないと恐ろしい勢いで退化していきます。 それを食い止めながら更なるベースアップを計るにはどうしたのか? 5,000字を軽く超えちゃったので、次回に持ち越しとしまーす(^_-)-☆  


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チャンチャン^^/