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徹底的に行われる中国の防疫チェック、さすがです……【工場稼働編 中編】

はい、前回からの続きとなります。

 

 【工場稼働編 前編】

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新型コロナウイルスの影響を受け、中国東莞市のフィギュア工場がスタートできない状態になっていました。 地方政府からの通達を受けて、工場をスタートさせるための要件を全てクリアし、中国では入手が極めて困難なマスク(日本でも困難ですが……)を調達して広州に飛びました。

 

【前編】では広州白雲空港で工場のドライバーと再会し、フィギュア工場に向けて出発するところまで書きました。 大吉の目でとらえた中国の今をお届けいたします。

 

中国各地の移動制限 

中国は現在、極端な人の移動制限を実施しています。 地域差もあり、詳しく書くとキリがないのでザクっと述べると、「今自分が住んでいる場所から出ないでね、出たら戻れることは保障しないかんね」ということです。 うーん、これだけだとやっぱり分かりづらいのぅ……

 

日本で例えてみます。 いまご自分が住んでいる住所の最小地区を想像してみてください。 市町村の下につく、〇〇町〇丁目みたいな単位です。 田舎であれば△△△2389番地とかの△△△(地名)ですね。そこの町内会が主体となって、幹線道路以外にバリケードと人を立てて、チェックなしでは人の出入りができないようになっています。

 

不要不急の外出は禁止され、生活必需品の買い出しのみ許されます。 しかも全住民が許されるわけではなく、一世帯一人のみ、数日に一度数時間のみという縛りつきです。 数日としたのは、2日に1度という地域もあれば、4日に1度という地域もあるからです。 数時間としましたが、3時間という場所が多いようです。

 

出る時に出発時間を書いた紙を渡され、時間を過ぎて戻って来たら中に入れてもらえないという徹底ぶりです( ゚Д゚) マスク着用は必須です。 マスクなしでは外に出ることもできません。 そりゃー、マスクが枯渇するわけです……

 

そんな話、湖北省や一部の封鎖された都市だけでしょ? と思われるかも知れませんが、ほぼほぼ全土がこんな感じです。 おいらのフィギュア工場のワーカーさんは湖南・江西が多く、四川・陝西・安徽・山東と全土に散らばっていますが、どの地域も上に書いた方法で人の移動を制限しています。

 

仕事で地域を出る時は、健康証明書と外出許可証(不要な場所もある)を持てば出られますが、出たら戻れないという方針を打ち出している地域も多いです。

 

広州白雲空港からフィギュア工場への道中

空港と高速道路は直結しています。 2月17日から中国全土の高速道路は無料開放となっています。 それでも道中ガラガラでした。 前にも後ろにも車がない状態がずーっと続き、まさに無人の荒野を行くがごとく。。。 高速道路を無料開放しているのは、緊急時だからだという理由もありますが、全てのインターチェンジを出る時に防疫チェックを行っており、そこに人手を取られているからかな? なーんて思いました。

 

ドライバーから色々な情報を聞き、あーだーこーだー話していると、すぐに(1時間半ほどで)東莞市〇〇鎮のインターチェンジに到達しました。 まずここで1回目の防疫チェックが入ります。 おでこでの検温と身分証のチェックですね。 当然ながら封鎖されていたり、注意が必要な地域の身分証だと通過できません。

 

身分証の住所がNG地域の場合、健康証明書を持っていれば通れます。 また、疫病発生期間中に帰郷していなければ、その旨を申告した上で通行証を発行してもらえます。 ドライバーは都市をまたいでの移動が多いので、通行パスを携帯のアプリに登録して管理されていました。 日本人のおいらは検温だけで問題ありませんでした。 あ、一応おいら日本人だかんねー。 よく「日本語が上手ですね!」って言われるけど……(^q^)

 

無事検疫を通過し、フィギュア工場に向かいます。 途中〇〇鎮の市街地を抜けて行くのですが、車も人通りも少ないです。 開いている飲食店もほとんどありません。 マクドナルド他、いくつかのお店が営業していましたが、テイクアウトのみ許されているとのこと。 お店で食べることはできません。 徹底していますね!

 

例年なら今の季節は稼ぎ時で、 

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大賑わいしている羊鍋専門街も全てクローズしていました。

 

〇〇鎮は人口約17万の都市です。 地元戸籍が四分の一で、四分の三が外地からの流入で構成されています。 東莞市は「世界の工場」と称されており、〇〇鎮にもたくさんの工場が軒を連ねています。 おいらのフィギュア工場もそうだけど、外地からの出稼ぎ労働者が街を支えています。

 

そして、どの工場も自身の工業団地からの出入りを厳しく制限しているので、「よし、今日は外食でもするかー」なーんてノリには1mmもなりません^^; 人口構成四分の一ほどの地元民も、極度に外出しない生活になっているので、飲食店は大打撃です。 体力がない飲食店から倒産の嵐が吹き荒れることでしょう……

 

先の見出し内でも触れましたが、幹線道路から地元民の生活エリアに至る道は封鎖されており、出入りが制限されています。 そして車はフィギュア工場のある工業団地の入口に着きました。 ここでも防疫チェックです。 おでこでの検温と身分証のチェックですね。

 

特筆すべきこととしては、この工業団地で働くワーカーさんに、QRコード付きの通行パスが発行されます。 これがないと出ることも入ることもできません! そして各工場では一日2~3回の検温が義務付けられ、その記録を毎日地方政府に報告しなければなりません。 さらには、自分の部屋以外ではマスクを外すことも許されないのです。 マスクをしないで工業団地の道路を歩こうものなら、「捕まえてください」と言っているようなものです。。。

 

すごくないですか? この徹底ぶりは。 ちなみに〇〇鎮では2月の上旬に1例、新型コロナウイルスの発症が確認されていますが、防疫・隔離・殺菌消毒体制が徹底しているので拡がりをみせていません。 2月中旬の時点で天気の良い日中は25度を越し、湿度も70%はある環境なので、その辺も幸いしているのでしょう。

 

フィギュア工場到着後

工業団地入口の検疫を抜け、フィギュア工場に向かいます。 門をくぐると、ワーカーさんが一人入口にテントを張って待機していました。 これも工場スタート要件の一つとなっている項目で、ここでも防疫チェックが入ります。 おでこで検温し、用意された紙に氏名・住所・IN/OUTの時間・検温記録・どこから来たのか等々を自分で書き込みます。 この用紙も毎日地方政府に要提出とのこと。

 

万一ここで37.3度以上の熱があれば、門を入ってすぐのところに設けた隔離テントの中に通されて、政府の関連機関に連絡となります。 工場の中に入ることはできません。 うかうか風邪もひけない環境ですな^^;

 

そして手を消毒し、靴底を消毒液に浸し、工場で準備したマスクに交換した上でやっと中に入ることが許されます。 出入りがほとんどない工場でも、この工程は必須条件です。 常時人を入口に待機させていなければなりません。 入口に人を置いてなかった工場が早速処分を受けていました……

 

地方政府の抜き打ちチェックがほぼ毎日あり、いきなり踏み込んで来ては、マニュアルが守られているかを厳しくチェックして行きます。 とある工場では、ワーカーさんがマスクをあごの下に追いやって仕事をしていたため、処分を受けました(>_<)

 

良くも悪くも中国だからできる徹底的な防疫対策。 「人権がー」とか、「〇〇的に何々がー」と理由をつけて何もしない日本とは大違いですね。 そしておいらは身を持って体験し、確信にいたるのです。 中国の方が日本にいるより安全だと!

 

ぅおっと、こんなに長くなっちまったわぃ。 続きは次回に持ち越しで♪ 

 

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チャンチャン^^/

 

≪2020年3月1日追記≫

【工場稼働編 後編】をアップしました。 

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≪2020年3月7日追記≫

【工場稼働編 完結編】をアップしました。 

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